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早朝勉強会 2002年5月9日の分

1. 推薦図書

 岩崎さんより推薦図書の紹介でした。
「もしもウサギにコーチがいたら 「視点」を変える53の方法 」
(伊藤守 大和書房)です。
 スポーツ関係の人に限らず、学校、会社の人にもあっている本だと思います。一部、視点がコーチからのものだったり、ウサギからのものだったりして、理解しづらい部分もありますが非常に面白いです。本当に才能ある選手とどう接すればよいのかということを、自分で、自分なりに解釈すれば為になると思います。

2、貧血について

質問:
 練習中に気分が悪いということで休んでいた選手(女子、テニス)がしばらくすると倒れこんでしまいました。後で話を聞いて分かったのですが、どうやら貧血らしいということが分かりました。スポーツ外傷・傷害については勉強しているのですが、内科的なことは勉強不足でした。もしも、これが貧血でなく、もっと重大な状態であったのならとんでもないことになっていたと思うと、内科的な事もしっかりと勉強しなければと思ったとのことでした。

回答(提案):
 足が、変形している、腫脹している、出血しているということは眼で見て分かる事なのですが、症状が見えないということは一番恐いと思います。貧血であれば、目蓋の裏の色、脈、唇の色などをみたり、生理中であるかなどということである程度予測できますが、男性の場合は脱水で貧血のような症状になることもあります。とにかく、実際に選手が目の前で倒れた時にどうするかは要復習です。
 これからの時期には環境傷害(熱中症など)が雑誌などにもとりあげられてきます。選手がどうなった時にどういう事を、どのようにするべき、というようなことを予備知識として持っておいても良いのではないかと思います。

3、クランプストップについて

 この勉強会で何度も話題となっているニュージーランドの「クランプストップ」(舌下にスプレーするタイプの痙攣止め)ですが、日本語で、購入できるとのことでした。効果があると感じたのは、オールアウト前になった選手に使用すると、かなり回復することや、ハーフタイムで使用すると、後半戦も良い状態で戦えるとのことだそうです。
 クランプストップはアルティメット(フリスビー)などで使用されていたのですが、多くの競技で使用され始めているようです。
HCH SPORTS FORMULAS

4、初めて見るテーピングについて

質問(報告):
 あるストレングスアンドコンディショニングコーチが教科書に載っていないような足首のテーピングをしていました。普通よりもはるかに少ない本数でのテーピングでした。
 そのコーチはよい状態で試合に望めるように脈拍数を基準にしてウォームアップの強度を調節するなどということも初めてみるものでした。という報告でした。

回答(提案):
 最近では、さまざまなテープの使い方が、提唱されていて今回は、その中の一つをご覧になったのだと思います。スパイルや、ファンクショナル、キネシオだけでなく、色々な巻き方がスポーツの現場で使われています。
 アスレティック・テーピングに関してですが、最近はスターアップを6本する場合もあります。その上に装具をつけていても捻挫してしまうこともあります。捻挫予防のために腓骨筋のトレーニング、バランスのトレーニング、テーピング(スターアップ、大小のヒールロック、フィギアエイト、さらにスモールヒールロック)、さらに装具をつけたとしてもまだ不安があります。
 最近起きた捻挫4例の内、一例は三ヶ月たっても復帰できません。三例は翌日から練習参加しています。三ヶ月たっても復帰できなかった選手は受傷時、テーピング、装具なし、残りの三例はテーピング、装具ありでした。
 様々な意見があったとしても、アスレティック・テーピングも役に立つんだと言う証明ですね。

5、推薦図書2

 参加者の方が、
「神の肉体清水宏保」(吉井妙子 新潮社)
を紹介してくれました。
 その中に、清水選手は肉体の感覚が研ぎ澄まされていて筋線維の1本1本が感じられるそうです。
 感想は、一読してから…。

6、伸張反射を利用した動き

 一瞬ジャンプしてから動きだすといった筋の伸張反射を利用した動きをバレーボールでも取り入れていますか。という質問でした。

 ゴールデングラブ賞を何度かとっているあるプロ野球の内野手はピッチャーが投げる1球、1球に反応、予測してほんの少しだけ身体を動かしています。これはどちらかにかけているのとは違います。この予備動作が正しくできると実際にボールが飛んできたときに何もしないでいるよりも早く動き出すことができるのです。
 バレーボールに関してですが、ポンと跳んでから下がるような動作を予備動作とすると、上手くいきません。それはボールが飛んでくる角度の問題なのです。(ボールが上から飛んでくるため)バレーボールの場合の予備動作なら低く構えた状態からやや上前方に上げる感じがよいと思います。ブロックに関しても予備動作として進行方向に小さく一歩出してから動き出しています。

7、小さいシューズとアキレス腱

 あるスポーツメーカーの靴のことがかかれた本に自分の足にフィットしたシューズではなく、小さいシューズを履くとアキレス腱に負担が掛かると書いてありました。
何故アキレス腱に負担がかかるのでしょうか、という質問でした。
 本を読んでいないので何ともいえませんが、小さいシューズを履くと、外反母趾になることが知られていますので、アキレス腱というか足の後部にも何らかの影響があってもおかしくはないと思います。滑液胞が傷むことも考えられます。
どういうメカニズムで小さなシューズがアキレス腱に負担をかけるのか次回までとはいかないかもしれませんが調べたいと思います。

8、どこまで行うか(マッサージなど)
 
 整形外科に勤められている鍼灸師の方からの質問で、どのくらいまで治療を行えばよいかという質問でした。

 基本的にはある程度症状が軽くなるまでやります。ただし、それはいつでもケアできる状態にある選手の場合です。
 いつ来てくれるか分からない、いつ会えるか分からない選手の場合は、普段するべき事を話します。その選手が役に立ったなと思えるようなことを話します。症状が一番わかるのは本人です。誰かに治して欲しいと思うことが多いですが、本人がどうするかが一番大きな部分を占めると思います。24時間中にどのくらいケア、ストレッチできるのかが重要になってくると思います。


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