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早朝勉強会 2002年5月30日の分

1. フォームローラーの資料配布(配布資料2枚)

 私達の周りで大評判、そして大絶賛のフォームローラーの資料が配布されました。インターネットの英語で書かれた腰痛に関するサイトからです。この資料では、フォームローラーをバランスのトレーニングではなく、癒し、治療としてつかっているようでした。

2. 腰痛の原因について

 参加者の方から腰痛の原因に関しての情報でした。腰椎は多くの靭帯によって支えられているのですが、その靭帯に水分が多く含まれる(38%以上)と緩んでしまうそうです。そして靭帯の緩みは腰痛の原因になるのでは、ということです。したがって湿度が高いと腰痛が多くなるのです。事実、じめじめしている時期(梅雨など)は神経ブロック注射を受ける患者さんが増えるそうです。また、夏の暑い日の水分過剰摂取でも同じような状態になることがあるそうです。
 季節の変わり目など短時間で気温の変化が大きいと風邪をひきやすくなるという事は有名ですが、このことに関しては知りませんでした。もう少し詳しい情報があるともっとよいと思います。調査してみてください。
 ただ、この情報はそのまま選手には伝えられない情報だと思います。夏季のスポーツ選手は水分を取っても取っても足りない状況にあることが多いのです。その選手に水分を取りすぎると腰痛になるという情報は、過度の水分不足の状態をつくりだしてしまうことがあるからです。
 
3、バランスのトレーニングについて

 フォームローラーで片足でバランスをとるエクササイズを試してみたのですが、左側に腰痛があるせいか、片側の股関節の内転筋、外転筋が上手く使えていないと感じました。という報告でした。
 自分の為の、自分の状態にあったメニューを作ってください。フォームローラーに関しては詳しい本が出る予定だそうです。
 バランス系のトレーニング用具として、 
フォームローラー
バランスボード
BAPS
スライドボード
スイスボール(バランスボール)
BOSU
などがあります。
BOSUというのはバランスボードとスイスボールが合体したようなもので、アクティブにバランスのトレーニングをするのには面白いかもしれません。股関節が上手くつかえるとBOSUの上に経てると思います。
 最近バランス系のトレーニングが流行しています。是非新しい股関節のトレーニングを開発、発見してください。

4、仙腸関節のずれに対するアプローチ

 仙腸関節のずれが原因だと思われる腰痛へのアプローチについて教えて下さい。という質問でした。
 仙腸関節のずれは梨状筋、中殿筋など横についている筋が関係している場合があります。他には、腸脛靭帯の張りなども原因となることがあります。どの筋が原因でこの部分に症状がでているかをチェックするために、仙腸関節に限らず、○○だから××にアプローチすればよいというわけにはいきません。原因は一つだけでなくいくつかの原因が絡んでいる場合が多いと思います。これまでは身体の前後と横側からのアプローチでしたが、今後は3D的発想でアプローチすることがテーマになってくると思います。

5、下腹部の筋の張りについて

 アメリカンフットボールの選手なのですが、下腹部の筋に張りがあります。選手自身はそれが原因で足を上げづらいといっています。恥骨結合炎ではとも思うのですが、他にも調べている状態です。何かその他にイメージできる疾患はないでしょうか。という質問でした。
 鼠径靭帯が関係しているかもしれません。その他には恥骨結合炎、腹筋の付着部炎、泌尿器系の疾患など内科的な部分も視野に入れなければならないかもしれません。MRIで検査すれば原因が分かるかも知れません。この話題はもう少し調べてみたいので、宿題にしようと思います

6、腰部の前湾のチェック法

 腰部の前湾具合をチェックする方法を教えて下さい。という質問でした。仰向けに寝たとき(仰臥位)の腰部にできる隙間の大きさで判断できると思います。前湾が強い場合には腹筋のトレーニングで改善される場合があります。効果が高いのは逆にぶら下がっての腹筋運動です。完全脱力の状態から腹筋に力をいれて行うようにします。他には腰部を中心としたPNFも効果があると思います。

7、股関節でバランスをとるには

野球のピッチャーなのですが、投球時の軸足が足関節、膝関節を固定したまま股関節でバランスをとりにくいのですが(膝関節でバランスをとってしまっている)、何か良い方法はないでしょうか。という質問でした。
 難しい質問だと思います。膝を上手くつかってバランスをとることは大変なことなので、それができるほうが良いことだと思います。ただ、競技特性上そう問題があるということであるならば、頭のてっぺんが上につられている、ひっぱられているイメージで膝関節、足関節をロックするということがよいヒントになるかもしれません。試してみてください。

8、MCL損傷のリハビリについて

 過去にMCL損傷をした女子の選手がずっとテーピングやバンテージをして練習をしていました。その後、テープやバンテージを外しても、テープが巻かれたままのような不自然な歩き方をしています。どうすればよいでしょうか。という質問でした。
 練習後、テーピングを外したうえでのアフターケア+リハビリが必要です。膝関節の場合は、アイシングのあとせめて大腿四頭筋のアイソメトリックだけでも行って欲しいと思います。その他には、スライドボード、7カウントエクササイズなど5分で終わるようなものなので良いと思います。それから歩き方も常に正しいフォームで歩くことを意識させることだと思います。これを選手に確実に行えるように徹底的に指導します。

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